小説(全般)について
当ブログの小説はボーイズラブを扱っております。
BLの意味がわからない方
ボーイズラブの恋愛が苦手な方、嫌悪感をもたれる方
18さい未満の方
不快感を与える表現(性表現等)がございますので、ご理解の上で観覧お願いします。
観覧はご自身の判断でお任せ致しますが、トラブル等は一切関知致しません。ご了承ください。
長編作品に関しては、タイトルの最初に「*」をいれています。
基本ハッピーエンド。短編小説も更新予定。
まれに健全、BL無しがあるかもしれないですね。
小説別の説明は、読んでも読まなくても構いません。
≪俺の愛した人≫(以下、クリックで指定のページが開きます ※別窓)
・初めに
#1, #2 , #3, #4, #5, #6, #7, #8, #9, #10, #11, #12, #13
#14.#15
(4月9日更新)
BLの意味がわからない方
ボーイズラブの恋愛が苦手な方、嫌悪感をもたれる方
18さい未満の方
不快感を与える表現(性表現等)がございますので、ご理解の上で観覧お願いします。
観覧はご自身の判断でお任せ致しますが、トラブル等は一切関知致しません。ご了承ください。
長編作品に関しては、タイトルの最初に「*」をいれています。
基本ハッピーエンド。短編小説も更新予定。
まれに健全、BL無しがあるかもしれないですね。
小説別の説明は、読んでも読まなくても構いません。
≪俺の愛した人≫(以下、クリックで指定のページが開きます ※別窓)
・初めに
#1, #2 , #3, #4, #5, #6, #7, #8, #9, #10, #11, #12, #13
#14.#15
俺の愛した人 -15話-
俺は服を脱ぎながら、目の前にあった鏡を見た。
改めて自分の体を見て、やはり弱々しい感じしかなかった。
別に極度に痩せているわけでもない。
でも、昔からいつも弱く見られる。
俺は、すぐその鏡に映っている自分の姿から、目を背けた。
まあ実際弱かったんだと思う。
------精神的にも肉体的にも……。
※ ※ ※
俺は風呂から上がり、バスタオルで濡れた髪の毛を拭きながら部屋へと足を運ぶ。
そこにはテーブルに体を預けて寝ている絹木の姿があった。
寝てんのか……。
ほんの少しだけ残念に思ったけど、緊張しまくっている俺にとっては良かったことは良かった。
とりあえず、部屋の中をチョロチョロ見回して、いつも寝るときにつかっているブランケットを彼にかけてあげた。
それから、今日買ってきた本を一冊取りだして読み始める。
でも、読んでいる最中何度も彼の寝顔へと目を向けてしまう。
彼は寝ているはずなのに真っ直ぐ俺の方を見ているような気がして落ち着かなかったんだ……。
もし彼が寝たふりをして俺の事をジッと見ていたらと思うと、少しだけ嬉しかった。
俺の愛した人 -14話-
「なあ」
「な、なんでしょうか?」
いきなり絹木が俺へと顔を近づける。
俺の前に机越しに座っている彼の顔がと俺の顔の距離はほんの数センチしかない。
本当に鼻と鼻とがくっつきそうになる。
そう意識してしまうと、俺は少し顔を引いた。
それに気付いた彼も、なにかを察したのか近くにあった絹木の顔が離れていった。
ドクッドクドクッドクドクッ………
---なんで、ドキドキしてんだよ!!!!
顔が離れていくのと同時に、心臓が高鳴っているのが耳に響いてくる。
てか、こいつが上半身はだかでいるのが、悪いんだ。うん、そうだ。
絹木はなぜか、風呂から上がってから上半身裸でいる。
本気でなんでだよ!
「なんでさ、敬語なの?」
そんなこと考えていたら、いきなり声が聞こえて体がビクッとしてしまった。
「え、ああ……」
「同い年だし、同級生だったし、なんも気にすることないんだと思うんだけど……」
確かにそうだ。
俺だけ敬語ってのも不公平だ。
同い年、元同級生、敬語の必要一切なし!
ただ……何故だか…妙に緊張して、いつもどおりにいかない……。
「いやーなんかさ、久しぶりに会ったから緊張しちゃってんだよ」
なんとなく、タメで喋ってみるが、なんだかぎこちない。
俺はなんとなく情けなくて、顔を下に向けた。
「ふーん」
「俺、身近にいるっつうか……よく会うやつとか親しい人とかある程度喋ったやつとじゃなきゃ、なんかあんまり喋ったことないからさ……」
----てか、何喋ってんだ俺……。
「自分もそうだけど」
そう言った絹木の声が聞こえた。
「ん、まあ、自分も喋るのとかは得意じゃないけどさ、別に緊張することないと思う」
----それで、緊張しないようにできたらいいんっすけどね。
そう思った時、俺の頭が何か温かいものに撫でられる感じがした。
今度は、なんとなく逃げたりせず、されるがままって言う感じで。
なんだか、妙に気持ちよかった……。
「自分あがったし、シャワー浴びてきたらどう。まだ若干湿ってるし」
「え、ああ!そうですね!浴びてきま……」
俺が顔を上げた瞬間、絹木と目が合った。
また、胸が高鳴って自分の体が静止してしまった。
そして、頭の上にある絹木の手を感じると、またさっきにもまして高鳴ってきて、もう頭がおかしくなりそうだ……。
「あんた顔赤いけど、風邪引いたんじないか?」
そう言って頭の上に乗っていた手が、額へと移動していく。
その時、やっと正気に戻った。
俺はすぐ身を引いて立ち上がり
「シャワー浴びてきます!」
そう言って、風呂場へと駆け込んでいった。
別にこういうのはあったんだ……。
女の子に恋してしまったときだって、こういうのはあった。
でも、なにしても結局はあのトラウマを思い出して、どうしようもなかった。
風呂場でふと昔のことを思い出してしまった。
----俺だって恋ぐらいするんだ……。
俺みたいな人間だって恋ぐらいする……。
する……ん?
え、今回は恋じゃないだろ?
しかも、全然知らない相手だし、それに男に恋をするはずなんか………
ないな。
「な、なんでしょうか?」
いきなり絹木が俺へと顔を近づける。
俺の前に机越しに座っている彼の顔がと俺の顔の距離はほんの数センチしかない。
本当に鼻と鼻とがくっつきそうになる。
そう意識してしまうと、俺は少し顔を引いた。
それに気付いた彼も、なにかを察したのか近くにあった絹木の顔が離れていった。
ドクッドクドクッドクドクッ………
---なんで、ドキドキしてんだよ!!!!
顔が離れていくのと同時に、心臓が高鳴っているのが耳に響いてくる。
てか、こいつが上半身はだかでいるのが、悪いんだ。うん、そうだ。
絹木はなぜか、風呂から上がってから上半身裸でいる。
本気でなんでだよ!
「なんでさ、敬語なの?」
そんなこと考えていたら、いきなり声が聞こえて体がビクッとしてしまった。
「え、ああ……」
「同い年だし、同級生だったし、なんも気にすることないんだと思うんだけど……」
確かにそうだ。
俺だけ敬語ってのも不公平だ。
同い年、元同級生、敬語の必要一切なし!
ただ……何故だか…妙に緊張して、いつもどおりにいかない……。
「いやーなんかさ、久しぶりに会ったから緊張しちゃってんだよ」
なんとなく、タメで喋ってみるが、なんだかぎこちない。
俺はなんとなく情けなくて、顔を下に向けた。
「ふーん」
「俺、身近にいるっつうか……よく会うやつとか親しい人とかある程度喋ったやつとじゃなきゃ、なんかあんまり喋ったことないからさ……」
----てか、何喋ってんだ俺……。
「自分もそうだけど」
そう言った絹木の声が聞こえた。
「ん、まあ、自分も喋るのとかは得意じゃないけどさ、別に緊張することないと思う」
----それで、緊張しないようにできたらいいんっすけどね。
そう思った時、俺の頭が何か温かいものに撫でられる感じがした。
今度は、なんとなく逃げたりせず、されるがままって言う感じで。
なんだか、妙に気持ちよかった……。
「自分あがったし、シャワー浴びてきたらどう。まだ若干湿ってるし」
「え、ああ!そうですね!浴びてきま……」
俺が顔を上げた瞬間、絹木と目が合った。
また、胸が高鳴って自分の体が静止してしまった。
そして、頭の上にある絹木の手を感じると、またさっきにもまして高鳴ってきて、もう頭がおかしくなりそうだ……。
「あんた顔赤いけど、風邪引いたんじないか?」
そう言って頭の上に乗っていた手が、額へと移動していく。
その時、やっと正気に戻った。
俺はすぐ身を引いて立ち上がり
「シャワー浴びてきます!」
そう言って、風呂場へと駆け込んでいった。
別にこういうのはあったんだ……。
女の子に恋してしまったときだって、こういうのはあった。
でも、なにしても結局はあのトラウマを思い出して、どうしようもなかった。
風呂場でふと昔のことを思い出してしまった。
----俺だって恋ぐらいするんだ……。
俺みたいな人間だって恋ぐらいする……。
する……ん?
え、今回は恋じゃないだろ?
しかも、全然知らない相手だし、それに男に恋をするはずなんか………
ないな。
俺の愛した人 -13話-
まあ、出会ったのはあんな感じである。
ただ、あの後絹木がいなくなってからは、いつもどおり過ぎるぐらい、普通の生活を送った。
絹木はやはり女子からモテていたらしく、女子の間の話では絹木は転校したという話を耳にしていたので、俺は心配もせず、普通の生活を送った。
で、まあ今日感動的な……違う。
偶然による再会がやってきたんだ。
「やっぱ、あんときのやつか……」
「忘れてたよな?」
「いや…薄々なんとなく……」
「嘘つけ」
チッ。
心の中で静かに舌打ちしてやった。
なんて面倒なやつなんだ。
「でも、久しぶりだな」
絹木はそう言うと、俺の頭に手を伸ばして撫でてくる。
おお、なんだか温かいな……頭撫でられるとか、小さいとき以来だし……。
……ん!?
「ななななななにをやっているとですかあ!!!」
俺は正気に戻って、絹木のその手からすばやく飛び退いた。
て、てめえ男の髪触ってなにやってるんじゃ!!!
絹木は相変わらずの眠たい感じのボーッとした顔で
「別に、モフモフしてやってただけじゃん」
モフモフって……。
俺は産まれたときから、髪の毛が異常なまでに多いけど、そんなモフモフするほどのものでもないし、女みたいに手触りがいいわけでもない。
俺はなんとなく、自分の髪の毛を触った。
どう考えてもモフモフとか言う状態じゃ……
その時、髪の毛が少し湿っているのを感じた。
あ、そういえば……。
さっきまで雨の中、突っ立てたんだっけ。
その時ハッと思う。
「ああああああの、シャワー浴びてきてください!風邪引きますし!!」
----俺はなんて気のきかないやつなんだ!!
普段ほとんど人を家に招き入れないし、こういう状況にもなったことがないから、気付かなかった。
というと、やっぱりダメなやつなんだろうな俺……。
「先行ってきたら。自分大丈夫だし」
「いやいや、絹木さんの方が濡れてますし……」
絹木の服とか見ると、まだ少し濡れているのがわかる。
髪も完全に乾いて無さそうだった。
「あんたの方が体弱そうだから自分あとででいいや」
その言葉が俺の心にグサリとくる。
どう考えても、俺の方が体弱そうに見えて仕方がない。
誰が見てもそう思われる。絶対に。
俺のコンプレックスの一つかも知れない。なんだか、小さいのである。
全体的に……。
「先行ってきて下さい。俺仕事あるんで」
「あ、そう。じゃあ……まあ入ってくるわ」
そのまま、絹木は風呂場へと向かった。
俺は、机の上のコーヒーカップを見つめてそのままじっとしていた。
なんだか、昔は二人と喋っていたら楽しかった。
ただ、なんだか今久しぶりに会うと、前のように喋れない。
普通に日常的なこと沢山しゃべって、普通に……普通に……。
なんだか、緊張感がおそろしいほどある。
緊張がほどけた今でも、胸に手をやると心臓がドクドクと鳴っているのがわかった。
なんなんだろうか……。
これは……。
ただの緊張感からのもの……そう思ってる。思っていたい…。
俺はそのまま、ずっとコーヒーカップを眺めていた。
ただ、あの後絹木がいなくなってからは、いつもどおり過ぎるぐらい、普通の生活を送った。
絹木はやはり女子からモテていたらしく、女子の間の話では絹木は転校したという話を耳にしていたので、俺は心配もせず、普通の生活を送った。
で、まあ今日感動的な……違う。
偶然による再会がやってきたんだ。
「やっぱ、あんときのやつか……」
「忘れてたよな?」
「いや…薄々なんとなく……」
「嘘つけ」
チッ。
心の中で静かに舌打ちしてやった。
なんて面倒なやつなんだ。
「でも、久しぶりだな」
絹木はそう言うと、俺の頭に手を伸ばして撫でてくる。
おお、なんだか温かいな……頭撫でられるとか、小さいとき以来だし……。
……ん!?
「ななななななにをやっているとですかあ!!!」
俺は正気に戻って、絹木のその手からすばやく飛び退いた。
て、てめえ男の髪触ってなにやってるんじゃ!!!
絹木は相変わらずの眠たい感じのボーッとした顔で
「別に、モフモフしてやってただけじゃん」
モフモフって……。
俺は産まれたときから、髪の毛が異常なまでに多いけど、そんなモフモフするほどのものでもないし、女みたいに手触りがいいわけでもない。
俺はなんとなく、自分の髪の毛を触った。
どう考えてもモフモフとか言う状態じゃ……
その時、髪の毛が少し湿っているのを感じた。
あ、そういえば……。
さっきまで雨の中、突っ立てたんだっけ。
その時ハッと思う。
「ああああああの、シャワー浴びてきてください!風邪引きますし!!」
----俺はなんて気のきかないやつなんだ!!
普段ほとんど人を家に招き入れないし、こういう状況にもなったことがないから、気付かなかった。
というと、やっぱりダメなやつなんだろうな俺……。
「先行ってきたら。自分大丈夫だし」
「いやいや、絹木さんの方が濡れてますし……」
絹木の服とか見ると、まだ少し濡れているのがわかる。
髪も完全に乾いて無さそうだった。
「あんたの方が体弱そうだから自分あとででいいや」
その言葉が俺の心にグサリとくる。
どう考えても、俺の方が体弱そうに見えて仕方がない。
誰が見てもそう思われる。絶対に。
俺のコンプレックスの一つかも知れない。なんだか、小さいのである。
全体的に……。
「先行ってきて下さい。俺仕事あるんで」
「あ、そう。じゃあ……まあ入ってくるわ」
そのまま、絹木は風呂場へと向かった。
俺は、机の上のコーヒーカップを見つめてそのままじっとしていた。
なんだか、昔は二人と喋っていたら楽しかった。
ただ、なんだか今久しぶりに会うと、前のように喋れない。
普通に日常的なこと沢山しゃべって、普通に……普通に……。
なんだか、緊張感がおそろしいほどある。
緊張がほどけた今でも、胸に手をやると心臓がドクドクと鳴っているのがわかった。
なんなんだろうか……。
これは……。
ただの緊張感からのもの……そう思ってる。思っていたい…。
俺はそのまま、ずっとコーヒーカップを眺めていた。
俺の愛した人 -12話-
絹木に初めて会ったのはこの時。
本当に、このころからかっこよさも目の垂れ目も変わってない気がする。
この時、二人で教室で行くことになった。
自己紹介もその時。
俺のクラスの2組と絹木のクラスの6組はこの時間、合同での体育だったらしく俺のクラスの教室ではなく、絹木のクラスの所での会話。
初めて会話したけれど、緊張感もとくに無く普通に喋っていた感じだった。
「ん?あれお前ってハーフなの?」
「そうだっつったんだけど……」
「うおおおお!!!マジか!!ハーフなんか初めてみた!!!!!!」
今までハーフとやらを間近で見たことがなかったので、異常なまで興奮していた。
あ、そっちの興奮ではなく……。
そう、絹木は立派なハーフさんであった。
「あ、で、でもさ、名前にその・・・外人っぽいところがないよな」
その時は、普通にハーフと言えば何所かしら、絶対に外人っぽい名前があるもんだと思ってた。
「俺、母親が外人だから」
「……あ、ああ、そうなんだ」
----つまり苗字は外人じゃないってわけだな。
俺はそれからお母さんはどこの人なのかとか、いつもあまり喋らない自分だが、今回はいつもより積極的に相当喋ったと思うぐらい喋りまくった。
喋ってからしばらく経った時のこと、
「でさ、お前……カップヌードル持って何やってんの?」
その言葉に俺はハッとする。
自分の手の中にはしっかりカップヌードルが存在していた。
水筒二本。一本はお茶、もう一本は保温できるタイプの少し重い水筒は俺の目の前にしっかりある。
なんというか、これだけ喋るのが久しぶりだったせいか、しっかり時間のことを忘れていた。
後ろの時計を見るともう4時間目が終わるまであと10分……。
「いや…俺ちょっと先にこれ喰おうと思ったんだけど……」
----もう昼に喰ってやるわ!
そう思いながら、水筒二本を手に持った。
「もう帰んの?」
「ん、まあいちよう屋上の鍵開くまで待っていようかなと思って」
「へえ……」
そう言うと絹木がズボンのポケットをゴソゴソと探っていた。
「たぶんだと思うけど……今日開かないな…」
「なんでだよ」
俺がそう言ったとき絹木が「あ、こっちじゃないか」と言って逆のポケットを探っていた。
「ほら、これ」
そう言って絹木はズボンのポケットからある鍵のようなものを……
----鍵でした。
「お前まさか……」
「そうそう。これ、半年ぐらい前から奪って、行方不明になっていたらしい屋上の鍵。だから開かない」
そう言って、意地悪そうに持っていた鍵をチャラチャラとする。
俺はその態度が頭に来て思いっきり、絹木に飛びかかった。
「てめえ!なんで持ってるんじゃあああ!!」
その大声はチャイムの音と共に教室に響き渡った。
絹木は教室を出て鍵を持ちながら逃げていたが、その走る姿がどう考えても俺を舐めてるかのようなペースだった。
それだけでも頭にくる。
俺なんてカップヌードルと水筒二本も持って走っているわけだ…走りずらいのはわかってるが、絹木の走り方はとんでもなく軽く走っているようにしか見えない。
----これでも俺は全速力で走っているというのに!
そして、俺は背後から思いっきり飛びかかり鍵を奪おうとしたが……
飛んだ時に、手から水筒二本とカップヌードルが、宙を舞う。
気付いたときには遅く、俺は思いっきり絹木の背後から倒れた。
----まあ、絹木が下敷きになってくれたから別に自分はどうってこと……
その時俺の目に飛び込んだもの……それは……。
カップヌードルが絹木の下敷きになって、ぺっちゃんこになっていた。
「俺のカップヌードルが……」
と言おうとしたとき……目の前に大きな影が……。
顔を上げるとそこには
英語担当の大柄な体格をした先生がまったく良くない状況の顔をして立っていた。
その後、結局俺らは運動場13周をさせられた。
もうしんどいとかいうレベルではなかった。
ただ、修学旅行の時、絹木がカップヌードルを持ってきてくれて一緒に食べた。
その時は10分間何も話さず静かに食する。
別に怒っていたからとかではなく、普通にして静かに食べたかったからだけ。
で、教室の事と修学旅行の会った時間を合わせれば、まあ1時間ぐらい。
ただ、修学旅行の後から学校で彼に会う事は一度としてなかった……。
本当に、このころからかっこよさも目の垂れ目も変わってない気がする。
この時、二人で教室で行くことになった。
自己紹介もその時。
俺のクラスの2組と絹木のクラスの6組はこの時間、合同での体育だったらしく俺のクラスの教室ではなく、絹木のクラスの所での会話。
初めて会話したけれど、緊張感もとくに無く普通に喋っていた感じだった。
「ん?あれお前ってハーフなの?」
「そうだっつったんだけど……」
「うおおおお!!!マジか!!ハーフなんか初めてみた!!!!!!」
今までハーフとやらを間近で見たことがなかったので、異常なまで興奮していた。
あ、そっちの興奮ではなく……。
そう、絹木は立派なハーフさんであった。
「あ、で、でもさ、名前にその・・・外人っぽいところがないよな」
その時は、普通にハーフと言えば何所かしら、絶対に外人っぽい名前があるもんだと思ってた。
「俺、母親が外人だから」
「……あ、ああ、そうなんだ」
----つまり苗字は外人じゃないってわけだな。
俺はそれからお母さんはどこの人なのかとか、いつもあまり喋らない自分だが、今回はいつもより積極的に相当喋ったと思うぐらい喋りまくった。
喋ってからしばらく経った時のこと、
「でさ、お前……カップヌードル持って何やってんの?」
その言葉に俺はハッとする。
自分の手の中にはしっかりカップヌードルが存在していた。
水筒二本。一本はお茶、もう一本は保温できるタイプの少し重い水筒は俺の目の前にしっかりある。
なんというか、これだけ喋るのが久しぶりだったせいか、しっかり時間のことを忘れていた。
後ろの時計を見るともう4時間目が終わるまであと10分……。
「いや…俺ちょっと先にこれ喰おうと思ったんだけど……」
----もう昼に喰ってやるわ!
そう思いながら、水筒二本を手に持った。
「もう帰んの?」
「ん、まあいちよう屋上の鍵開くまで待っていようかなと思って」
「へえ……」
そう言うと絹木がズボンのポケットをゴソゴソと探っていた。
「たぶんだと思うけど……今日開かないな…」
「なんでだよ」
俺がそう言ったとき絹木が「あ、こっちじゃないか」と言って逆のポケットを探っていた。
「ほら、これ」
そう言って絹木はズボンのポケットからある鍵のようなものを……
----鍵でした。
「お前まさか……」
「そうそう。これ、半年ぐらい前から奪って、行方不明になっていたらしい屋上の鍵。だから開かない」
そう言って、意地悪そうに持っていた鍵をチャラチャラとする。
俺はその態度が頭に来て思いっきり、絹木に飛びかかった。
「てめえ!なんで持ってるんじゃあああ!!」
その大声はチャイムの音と共に教室に響き渡った。
絹木は教室を出て鍵を持ちながら逃げていたが、その走る姿がどう考えても俺を舐めてるかのようなペースだった。
それだけでも頭にくる。
俺なんてカップヌードルと水筒二本も持って走っているわけだ…走りずらいのはわかってるが、絹木の走り方はとんでもなく軽く走っているようにしか見えない。
----これでも俺は全速力で走っているというのに!
そして、俺は背後から思いっきり飛びかかり鍵を奪おうとしたが……
飛んだ時に、手から水筒二本とカップヌードルが、宙を舞う。
気付いたときには遅く、俺は思いっきり絹木の背後から倒れた。
----まあ、絹木が下敷きになってくれたから別に自分はどうってこと……
その時俺の目に飛び込んだもの……それは……。
カップヌードルが絹木の下敷きになって、ぺっちゃんこになっていた。
「俺のカップヌードルが……」
と言おうとしたとき……目の前に大きな影が……。
顔を上げるとそこには
英語担当の大柄な体格をした先生がまったく良くない状況の顔をして立っていた。
その後、結局俺らは運動場13周をさせられた。
もうしんどいとかいうレベルではなかった。
ただ、修学旅行の時、絹木がカップヌードルを持ってきてくれて一緒に食べた。
その時は10分間何も話さず静かに食する。
別に怒っていたからとかではなく、普通にして静かに食べたかったからだけ。
で、教室の事と修学旅行の会った時間を合わせれば、まあ1時間ぐらい。
ただ、修学旅行の後から学校で彼に会う事は一度としてなかった……。







